平成25年度第2回「中野いきいきセミナー」

2014-03-30

平成25年度第2回「中野いきいきセミナー」が3月22日(土)13時から17時まで、アーバンネット中野ビル東京リーガルマインド様第1研修室で開催されました。NPO法人中野中小企業診断士会メンバーを中心に22名が参加しました。
今年度からNPO法人中野中小企業診断士会メンバーだけでなく、中野区創業相談を経て独立された方など外部講師の講演を加え、実務的なスキル向上を目指しています。

第1部は、中野区創業相談を経て創業された税理士法人アシストの池田健一代表から「決算書は誰のためにある?」というテーマで講演をいただきました。開業支援や融資の相談等を実施されている池田代表は、税理士の仕事は税務申告だけではなく、会社の数字を通して会社の課題を見抜き、経営者と一緒に解決策を考えることだと言います。「税理士の仕事は、ナビゲーターだ!」というフレーズがそれを象徴していました。増収増益、減収減益、あるいは債務超過など財務諸表の各種パターンに応じた対応策も教えていただき、診断士としての実務に活用できそうです。税理士と中小企業診断士が協力することで、より多面的に中小企業のバックアップが実現できると感じました。

池田代表社員

第2部では、大手百貨店に38年間勤務された大場会員から「小売業のこれから」をテーマに、戦後流通業の変遷、業態ごとの現状、そして少子高齢化社会、ネット社会の時代を迎えての大手流通グループの戦略をお話いいただきました。単なる時系列データにとどまらず、「小売りの輪」といった理論的背景にまで解説が及びました。今後の小売業の目指すべき方向性として、MD政策、サービス政策、顧客管理政策、海外進出などを挙げられています。競争相手が同業企業だけではない厳しい環境下の現在においては、「欲しい時に欲しい場所で欲しいものを提供できる」顧客起点の発想が重要であるということが印象に残りました。販売士資格更新研修の講師等を務められている大場会員だけあって、大変分かりやすい講演でした。

大場会員

第3部では、眞本会員から経営分析や新規事業設計に有効で、ビジネスモデルの理解・設計・実行に役立つ「ビジネスモデルキャンパス」を紹介いただきました。眞本会員は、IT企業に10年間勤務した後、2012年に退職し独立し、現在はIT関連の研修・セミナーや販売促進支援を中心に中小企業支援に従事されています。「ビジネスモデルキャンパス」は、従来の各種フレームワークと異なり、1つのシートで事業の全容を一望できるところに特徴があります。ビジネスモデルの共通言語とすることで、経営者とのディスカッションやグループワークに活用できる点が非常に魅力的です。事例を使ってフレームを埋めながら講義を進めていただいたので、理解を深めることができました。

眞本会員

外部講師1名、会員2名の講演は、それぞれタイムリーかつ興味深い内容であり、講師の方と参加者の間で活発な質疑が行われました。その後、17時30分から開催された懇親会も、講師の方を囲んでの有意義な情報交流の場となりました。
中野いきいきセミナーは、毎年3月と9月に実施していますので、会員の方には積極的に参加いただくとともに、お知り合いの方に声をかけていただきたいと思います。

研修部 小林久人

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