フランチャイズチェーン加盟で成功するポイント

2014-11-03

フランチャイズシステムを上手に活用して事業を発展させるには

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 フランチャイズビジネスは、新規事業進出を図る企業、事業転換を模索する商店主、創業を目指すサラリーマン等にとって、魅力的なビジネスシステムです。日本にフランチャイズビジネスが導入されて40年余り、市場規模は順調に拡大してきました。しかし、フランチャイズビジネスに加盟すれば必ず成功するという訳ではなく、当然失敗することも少なくありません。ポイントを確認した上で2つの事例から成功要因を学びましょう。
 まず、フランチャイズビジネス加盟で成功する最低限のポイントを考えて見ましょう。
 

1.フランチャイズビジネスの仕組みを理解すること

 フランチャイズビジネスとは何かをしっかりと理解することが第一歩です。フランチャイズビジネスは、本部と加盟店で構成されます。本部と加盟店はフランチャイズ契約を結びます。本部は加盟店にフランチャイズパッケージを提供し、加盟店はその対価を支払います。フランチャイズパッケージには、本部の商標の使用、経営システム・ノウハウの提供、継続的な指導・援助が含まれます。加盟店が支払う対価には、加盟金やロイヤルティ等があります。まず、この仕組みを理解することです。

2.自分に合った本部を選ぶこと

 本部選択は大変重要です。本部とは今後長く付き合っていくのですから、その経営理念に共鳴できる本部を選択することが必要です。また、事業への投資金額、業態の成長性、フランチャイズパッケージの内容等を慎重に検討することが不可欠です。本部責任者との面談、加盟店との面談等を通して、信頼の置ける本部を選択します。

3.経営は自己責任であることを認識すること

 加盟店は独立した事業者です。本部の支援は受けますが、加盟店の経営は加盟店の責任です。本部に依存しすぎず、自ら経営努力する姿勢を貫くことが必要です。

それでは、2つの事例から成功のポイントを探してみましょう

(1)宅配ビジネスに進出したIT企業
 A社は、インターネット関連事業を営む企業です。社会への貢献度の高い事業、将来性のある事業、収益の安定した事業への進出を考え、高齢者向け配食サービスのフランチャイズチェーンに加盟しました。加盟を決定したポイントは、高齢化社会への貢献という本部トップの経営理念への共鳴です。もう一点は、業界での当本部の位置づけです。業界ナンバー1という地位のメリットを享受できると判断したからです。A社は既に2店舗目を出店し、さらに店舗数を増やしていく計画です。

(2)業態転換した酒販店
 B社は業務用の酒販店を経営していましたが、業界環境が厳しいおり、後継者の子息が入社したのを機に新規事業進出を模索していました。ある飲食店チェーンへの酒類納入をきっかけに、そのチェーンへの加盟を決意し1号店を出店しました。その後、新たなチェーンを検討し、リサイクルビジネスのフランチャイズチェーンに加盟しました。現在、3チェーン6店舗を展開しています。フランチャイズビジネスの売上の拡大に伴い、酒販店ビジネスから撤退し業態転換を成功させました。

 これらの例から、「理念に共感できる本部への加盟」や「取引の実態が見える本部」に加盟していることが分かります。B社では、リスク分散のために複数の本部に加盟するような事もしています。経営は自己責任である事を認識しているからこそ、慎重に加盟を検討し、大胆に展開できるのです。

(中野区中小企業診断士会 田中一次)
 

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