「こだわり客」を集めて新創業に成功する10か条

2012-10-27

※2010年8月4日に中野区HPに掲載された記事です。

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 ワインレストラン、草レースを主催するイベント会社、惣菜をネットで売りたい食品会社を得意先とするフードコンサルタント等、これまであまり類を見ないビジネスで創業したい方の相談を受けることが増えてきました。これらは、興味を持ってくれる特定の顧客のみをターゲットにする「この指とまれ型」ビジネスといえます。このような創業の形は世の中が成熟社会になればなるほど今後増えてくるでしょう。
 創業者の皆さんは、それぞれに意欲に溢れていますが、一方では新規創業後の成功率が低いという現実も否定できません。そこで創業のリスクを減らし成功するための企画立案業務を「成功する10か条」としてまとめました。

1 イメージの明確化

 やりたい商売は、誰のどのような生活に役立つ商売なのか具体的に書き出し、利用するお客さんはどこにいて、どのような店選びをする人たちかイメージを明確にする。

2 人をひきつけられるか検討

 そのようなお客さんを引き付ける訴求ポイント「この指とまれ」は魅力的か考える。

3 ビジネスプラン作成

 こうありたいという創業時から中期のビジネスプランを作成する。創業資金、運転資金とそれらの資金調達計画(自己資金と創業融資計画)を作る、なかでも借入金返済に必要な売上計画、利益計画を達成する条件を明らかにする。

4 達成可能か検討

 達成するための条件がクリアーできる可能性はどうかチェックする。例えばワインレストランなら出店予定店舗前の通行客層と時間帯別人数、あるいは駅の乗降客、商圏内の年代別人口などから、期待できる入店客数や客単価はどうか調べる。イベント会社やフードコンサルタントなら現在関係のある会員数や得意先数やその内容をリストアップし、期待できる客数、客単価を書き上げそれらが達成できるか自問自答したり、関係者の意見を求める。

5 ビジネスプランのチェック

 「この指とまれ型」のビジネスでは、こだわり客を育てるにはそれなりの時間がかかる。それに耐えられるビジネスプランかチェックする。

6 人脈・経験チェック

 商品企画、商品仕入れ、集客などマーケティング活動に生かせる自身の人脈や経験はどのようなものがあるか書き出しチェックする。

7 同様ビジネスのチェック

 同じような客層を相手とするビジネスはあるか、あればその実態はどうか研究する。

8 集客可能性のチェック

 これらを検討し「こだわり客」を集められる可能性はどうか判断する。

9 再検討を考慮

 もし難しいという判断になったら、条件を変えてビジネスプランを作成する。例えば、ワインレストランなら出店候補地を変更する。あるいは立地を予見としてメニュー構成などを見直すなど。

10 計画の追究

 以上のように自身の想いを数値化しながら、お客さん研究をして創業計画を実現可能なものまで磨き上げる。

(中野区中小企業診断士会 杉浦肇)
 

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