建築関連業サバイバルの方途

2012-12-24

※2010年8月4日に中野区HPに掲載された記事です。

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 中小零細がしのぎを削る建設業界。しっかりとした戦略をもって勝ち残るサバイバルの時代に突入しています。建設業4社の事例から、勝ち残るポイントをお伝えします。
 

1.品質・コスト・納期へのこだわり 自社の特徴を打ち出そう

 A社は区内でも古参の材木屋で、自ら材木を担ぎ手でさわる現場第一主義がモットー。海外での加工にも進出、ネット活用など斬新な発想で各種木材製品を提供しています。
(ポイント)
 特長のない企業は市場競争力に欠けます。同業他社との差別化ポイントをはっきりさせましょう。まずは、自社の強みと弱さを検討し認識することが必要です。
 

2.竣工した時から次の営業を開始 お客を営業マンにしよう

 B社は営業マンなしの工務店。社長自筆の挨拶状に花の種を添えて贈るなど、顧客とのつながりを常に大切にしていて、年間受注の多くは彼らからの紹介によるとのことです。
(ポイント)
 OB客は会社にとって大切な営業資産です。しっかりフォローアップしたいものです。竣工の翌日から新しい営業が始まるのだ、という意識を社内に徹底しましょう。
 

3.コミュニケーションが会社の基本 少数精鋭部隊を作ろう

 C社は地場のリフォーム店。営業・見積・現場など仕事を分担させず、一人の社員が一貫して担当します。職人を含む余暇の交流活動も盛んで、全員が家族的な雰囲気です。
(ポイント)
 責任と権限をはっきりさせ、ホウ・レン・ソウを徹底すれば、少人数で効率的に活動できる体制になります。「私の会社」ではなく、「みんなの会社」を目指しましょう。
 

4.余力のあるうちに方向転換を検討 環境変化を読んで投資しよう

 D社は建築設計業から建築模型製作に転向し、他社に先駆けて作業の機械化を進め従業員を訓練し、高度の品質と親切な顧客対応により、年々着実に売上高を増やしています。
(ポイント)
 どんな環境の悪化にも耐えられる万能な会社はありません。先行きの経営状況を判断して、ある時は果敢に舵をきることもやむを得ませんが、体力が弱まっていては何もできません。余力のあるうちに行動しましょう。

(中野区中小企業診断士会  大河内 隆之)

 

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