平成26年度第2回「中野いきいきセミナー」

2015-04-03

第41回(平成26年度第2回)「中野いきいきセミナー」が3月14日(土)13時から17時まで、中野区産業振興センターで開催されました。NPO法人中野中小企業診断士会メンバーを中心に24名が参加しました。
昨年度からNPO法人中野中小企業診断士会メンバーだけでなく、中野区で創業された経営者の方など外部講師の講演を加え、より実務に役立つスキルの向上を目指しています。今回も外部講師1名含めて3名の方に講演いただきました。
第1部は、外部講師として株式会社タスキブ代表取締役である岡田真氏から「チャレンジする面白さ~社長クエスト~」というテーマで講演をいただきました。普通の会社員が所属会社社長の急死をきっかけに、その1ヶ月後に起業した経緯に驚かされました。起業後に待ち受けていた社員の不満といったクエスト(課題)を、一人ひとりと面談し、正社員化による待遇改善、就業規則などのルール化に真摯に取り組むことで乗り越えてこられました。これから起業する人へのアドバイスとして、①事業にお手本はない、②会社の利益が自分の利益と考える、③支援者からの資金支援は極力受けず、資金以外の支援には恩返し、の3点を挙げています。岡田社長は、診断士に対し、異業種経営者との交流の機会の提供を要望されていました。

岡田社長

第2部では、大手製薬会社に勤務されている企業内診断士の林会員から「企業が直面している環境と経営についてのジレンマ」をテーマに永遠のトレードオフ関係にある企業経営と環境問題について、お話しいただきました。地球規模での人口の爆発的な増大、エネルギー使用量の増加、CO2濃度の上昇といった事実を詳細なデータに基づき解説されました。環境問題への対応をコストアップ要因と考えるのではなく、ビジネスチャンスと捉えられないかぎり、ジレンマを解消することはできない。近江商人の三方よし「売り手よし、買い手よし、世間よし」の考えに「未来よし」を加えた「四方よし」を理念として企業の根底に持つ必要性を語っています。年間60回以上のセミナー講師を務めている林会員だけあって、難しいテーマを分かりやすく講義いただきました。

林会員

第3部では、畑中会員から「激動の時代に入った美容室経営について」講演いただきました。美容業界は、店舗数がついに23万店舗を超え、これまで優良店舗と言われていたサロンまでが売上高前年対比割れを起こしています。そういった厳しい美容室業界にて、長期事業計画、マーケティング、人事戦略、財務戦略などの支援を行っている畑中会員だけあって、講義内容は美容室に対するコンサルティングマニュアルそのものでした。成功店舗におけるストーリーのあるコンセプト作り、新たな取組み、接客状況など具体的な事例を数多く紹介いただきました。美容室業界に限らず、接客を伴う流通業・サービス業に共通するものであり、今後の診断業務に幅広く活用できる内容で、大変参考になりました。

畑中会員

外部講師1名、会員2名の講演は、バラエティに富んだテーマで、いずれの内容も興味深いものでした。セミナー終了後に開催された懇親会は、講師の方を囲んでの有意義な情報交流の場となりました。
中野いきいきセミナーは、毎年3月と9月に実施していますので、会員の方には積極的に参加いただくとともに、お知り合いの方へのお声掛けをお願いします。

研修部 小林久人

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