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中野中小企業診断士会創立40周年祝賀会

2023-12-17

2023年11月17日 中野中小企業診断士会創立40周年祝賀会が開催されました。
中野区長、中野区区議会副議長ほか来賓23名、会員33名の下、とても温かみのある、想いを共有出来る祝賀会を開催することができたと思います。

これから、中野診断士会はアート思考、多様性、伴走型支援を基軸にして活動していきます。
今後ともよろしくお願いいたします。


祝賀会


40周年記念動画

第49回(平成30年度第2回)「中野いきいきセミナー」

2019-03-08

第49回(平成30年度第2回)「中野いきいきセミナー」が、31年2月23日(土)14時から16時50分まで中野サンプラザ7階会議室において開催されました。
「中野いきいきセミナー」は、経営者に経営に役立つ情報を提供する公開セミナーとして中野区中小企業診断士会が主催して実施しているものです。今回の参加者は、診断士会会員14名、外部経営者2名でした。今後は、より多くの外部経営者にも参加いただけるよう、情宣していく予定にしております。

第1部は、田中浩二会員に「物流を学びたい‐日本の物流業界の現状‐」をテーマに講義いただきました。田中会員は、日本物流学会、日本港湾経済学会に所属し、『ロジスティクス・マネジメント戦略』など物流・人的資源管理で多数の執筆もされております。講演では、企業として流通を維持するには、システムとしての物流を構築する頃が必要であり、その為には中小企業の連携がかかせないことについて講演いただきました。日本の物流業界の状況、特に人手不足、それをカバーするテクノロジー、そして業界再編についてお話しいただきました。とても機知ある内容でした。

第2部では、木佐谷会員より「中小企業こそ活用したいクラウド・AI・IoT」をテーマに講演がありました。木佐谷会員は20年以上に渡ってIT企業に勤務し、外資系企業のマーケティング、新規事業立上のほか、上場企業の役員、代表も歴任しております。IT、マーケティングを中心に、戦略策定から実行段階までハンズオン型の支援がモットーで幅広く活躍されています。当日はクラウド、フリーツールを活用した中小企業でも導入しやすいIT支援、AIの考え方、AIとRPAの活用方法について具体的に講義をいただきました。各講演とも突っ込んだ質疑応答が展開され、中身の濃い講演会となりました。
終了後に開催された懇親会も、講師の方を囲んだ有意義な情報交流の場になりました。

中野いきいきセミナーは、引き続き公開セミナーとして実施していますので、会員の方には積極的に参加いただくとともに、外部経営者の方に声をかけていただきたいと思います。

研修部 谷進二

第48回(平成30年度第1回)「中野いきいきセミナー」

2019-03-02

第48回(平成30年度第1回)「中野いきいきセミナー」が、11月23日(金)13時から17時まで中野サンプラザ7階研修ルームにおいて開催されました。
従来は、診断士としての実務的なスキル向上を目指した会員対象のセミナーとでしたが、今回より会員外の経営者に経営に役立つ情報を提供する公開セミナーに変更いたしました。今回の参加者は、会員24名、外部経営者3名でした。今後は、より多くの外部経営者にも参加いただけるよう、情宣していく予定にしております。

第1部は、津山淳二会員から「必見!小規模事業者のためのマーケティング講座」を講演いただきました。津山会員は、営業アウトソージング会社、営業コンサルティング会社等で法人営業及び営業部門責任者を歴任した後、津山コンサルティングオフィスを設立し、販路開拓・営業力強化において具体的な実行支援を行っています。経営者にとってマーケティングは必須の経営課題であり、いかにお金を掛けず新たな顧客を探し出し、売上を最大化することが重要です。小規模事業者にとって重要なマーケティング施策を実際の支援事例を紹介しながら解説いただきました。

第2部では、吉岡早苗会員に「組織力の強化はコミュニケーションから」をテーマに講義いただきました。吉岡会員は、株式会社リクルート・フロムエーでの営業マン時代に人事組織に悩みを抱える中小企業経営者を支援し、社会保険労務士として独立してからも中小企業の人材育成を通した組織活性化支援の活動をしています。企業として成果を上げるには、組織としての力を発揮することが必要であり、その組織は共通の目的を達成しようと一丸となった人の集まりのことです。そこに欠かせないコミュニケーション、特に組織力強化のためにリーダーに必要なコミュニケーションについてお話しいただきました。

第3部では、クリーニング会社にて主にクリーニング工場の業務改善、生産性改善、コスト改善などの生産管理業務に従事し、現在は中小企業診断士として、商店街支援、創業支援を中心に活動している石川拓也会員から「現場改善による生産性向上の考え方」についてお話しいただきました。昨今、「働き方改革」として生産性の向上が中小企業においても大きな課題となっています。そのはじめの一歩として現場における業務改善について、コストをかけない知恵と汗を出して行う現場改善のコツから、生産性の具体的な向上策について講義いただきました。

それぞれ中小企業の経営においてタイムリーかつ重要なテーマ、内容であり、講師の方と参加者の間で時間が足りないほど活発な質疑が行われました。終了後に開催された懇親会も、講師の方を囲んだ有意義な情報交流の場になりました。

中野いきいきセミナーは、引き続き公開セミナーとして実施していますので、会員の方には積極的に参加いただくとともに、外部経営者の方に声をかけていただきたいと思います。

研修部 小林久人

2019年2月9日(土)「売上アップのための補助金活用セミナー」

2018-12-15

2019年2月9日(土)開催
「売上アップを目指す経営者必見!!補助金活用セミナー」

NPO中野中小企業診断士会では、毎年春ごろに募集されてきた「ものづくり補助金」「小規模事業者持続化補助金」等の補助金活用に向けた無料セミナーを開催いたします。
「何か取り組みたいがどうしたらいい?」「資金があればあんなこともやれるのに・・・」といったお悩みをお持ちの経営者の皆様に、上手な補助金活用の〝ホントに大事なトコ″をお伝えします。
中野区の事業者様はもちろん、中野区以外からのご参加も歓迎いたします。
奮ってのお申込をお待ちいたしております。
また、セミナー終了後に無料個別相談会を実施しますので、こちらも是非ご利用ください。

<セミナー概要>
「売上アップを目指す経営者必見!!補助金活用セミナー」
開催日:2019年2月9日(土)
時間:
13:00     開場
13:30~16:00 セミナー
16:00~16:30 個別無料相談会
場所:中野サンプラザ7階 研修室11
先着:30名
受講料:無料
※受講にはお申し込みが必要です。チラシのお申し込み欄にご記入の上、FAXにてお申込みください。
メールをご利用の場合は、同じ内容を文面にご記入の上、下記アドレスまで送信してください。
FAX    03-4496-4773
e-mail   contact@nakanoku-shindanshikai.com

補助金活用セミナー
補助金活用セミナー申込書

後援:東京商工会議所中野支部
   中野工業産業協会
   中野区商店街連合会
   中野区
主催:NPO中野中小企業診断士会

ヤマト運輸 羽田クロノゲート 見学会

2017-11-21

NPO法人中野中小企業診断士会主催「ヤマト運輸 羽田クロノゲート見学会」が、11月4日(土)に実施されました。

1.見学会の概要

今回見学に行きました、ヤマト運輸のハブ拠点である巨大物流センター「クロノゲート」は、2013年に竣工し既に4年が経過しておりますが、現在でも予約がすぐに埋まるほどの人気施設です。施設名称は、ギリシャ神話における時間の神クロノスと、日本と国外とのゲートとなることから、この二つを合わせた造語として「羽田クロノゲート」と名付けられたとのことです。当見学会は、ヤマトグループの担当者が施設内をご案内していただき、ヤマトグループの歴史や各施設の説明をいただけました。そのため、当施設がどのような意図をもって作られたのか、また、施設のベルトコンベアの特長も理解が深まったものと思われました。

2.クロノゲートの特徴
(1)立地
クロノゲートは陸、海、空の全ての輸送手段にアクセス可能な立地。陸は、トラック輸送に適した高速道路へのアクセスだけでなく、JR貨物へのアクセスも容易であります。海は、東京港や横浜港からも近く、また空は羽田空港からも近いといった恵まれた立地環境となっています。
(2)付加価値
物流を、価値を生み出すものに進化させるバリュー・ネットワーキング構想により、物流に正確に届ける仕組みと洗浄や印刷、メンテナンスなど多様な付加価値機能を持たせた施設です。

3.見学内容 
まず、左の見学者ホールでヤマトグループの歴史を振り返りました。1976年日本で最初に宅配便を開発した企業であること、その後もスキー宅急便、ゴルフ宅急便、クール宅急便と次々と宅急便メニューを増やしていった着眼点などの説明を受けました。また、上記2で記載いたしましたクロノゲートの戦略的特長、すなわち立地と付加価値についてその意図の説明をうけました。

左の見学者コリドーで実際に荷物が目の前を流れていく様子を見学しました。ベルトコンベアは365日、24時間稼動しており、そのスピードや送り先への仕分けの正確さには驚かされました。このベルトコンベア(クロスベルトソータ)は、「セル」と呼ばれる一枚板が何枚も繋がって大きなベルトになっています。一枚のセルに対して1つの荷物が乗る仕組みになっていて、フル稼働すると1時間で48,000個の荷物が仕分けられます。このベルトコンベアは1,366枚のセルで構成され、合計すると1,070メートルに相当します。

また、エレベーターを模した映像を通じて、上層階で行われている以下のような付加価値機能の取り組みについて説明を受けました。
(1)修理、メンテナンス、組み立て
生活家電の修理受付、修理、パーツ保管、ロジスティクス機能の集約により、煩雑な業務の一元化、さらに修理品の回収から返却までのリードタイムの短縮に可能にさせました。また、精密機器等、スピードが求められるビジネス機器のパーツ発送、メンテナンス、修理等を仕分け施設内で完結することで、拠点集約・受注時間の延長が可能になりサービス向上につながりました。
(2)医療
病院で使用する医療用器械を洗浄・メンテナンスする設備と、在庫を保管する場所も設置することで、リードタイムの短縮と流通在庫の圧縮が可能になりました。
(3)通関機能
海外から羽田空港あるいは成田空港に到着する商品を外国貨物のまま運び入れ、スムーズに輸入通関を実施。当施設内で輸出通関を行うことで、空港や港までのアクセスが良くなり、スピード出荷が可能となりました。
(4)ホームコンビニエンス機能
お部屋の清掃・整理等のサービスを行い「ご家庭内の困りごとの解消」に貢献します。住宅用設備の施工からアフターメンテナンスまでを、メーカー様に代わってワンストップで提供します。単身赴任のお客様等を対象とした、家具家電のレンタルを行います。返却物を洗浄・動作確認し、保管・再出荷します。
上記以外にも、ダンボールの開発研究なども行われていることの説明をうけました。
このような様々な付加価値は、在庫圧縮やリードタイムの短縮化、物流機能の範囲拡大を意図したものと思われます。

左は集中管理室です。集中管理室に入れるのは、一部の社員だけ。さらに入室には静脈認証が必要で、外側からもすりガラスで見えません。見学会では、このすりガラスの曇りを解除してもらい、外側から特別に室内の様子を見ることができます。コンピューター室にはたくさんのモニターが設置されており、全自動のベルトコンベアが正常に動いているか、荷物が落ちたりしていないかを常にチェックしています。また、集中管理室では、トラックの誘導も行っています。羽田クロノゲートの物流棟には、最大で110台のヤマトトラックが停車でき、管理室から適切な場所へとトラックを誘導します。

最後は左の展示ホールで、模擬ピッキングを行い、お土産をいただいて終了です。

上記クロノゲートは現時点でも、施設全体の実質無人化が可能なように思われました。ベルトコンベアに載せる前のピッキングは手作業で行っているとのことでしたが、一部ロボットも導入されているとのことで、実際雇用の観点から緩やかなロボット化を進めることにより雇用とのバランスを取っているように思われました。
将来、AIにおける自動運転が可能となり、荷物の配達もロボット化された場合ヤマト運輸におけるトラック輸送を担う従業員数は激減するでしょう。(エストニアで開発の「ピザ宅配ロボ」 がロンドンやベルリンでも走行しています。)これは、運輸業界だけの問題ではありません。様々な職業が人口知能に代替されたとき、どのように富を再配分するかが将来の大きな課題となるものと思われました。

終了後、羽田沖で取れたアナゴ天丼が有名な店で舌鼓し三々五々お開きとなりました

研修部 堀川 一

第46回(平成29年度第1回)「中野いきいきセミナー」

2017-09-30

第46回(平成29年度第1回)「中野いきいきセミナー」が、9月16日(土)13時から17時まで、中野区産業振興センターにおいて、29名の参加で開催されました。本セミナーは、診断士としての実務的なスキル向上を目指しています。会員が増加してきているため、昨年度より会員の発表者を2名から3名に増やしました。
第1部は、谷口会員に「ロシアを知ろう」というテーマで講演をいただきました。谷口会員は、大手精密機械メーカーで生産技術部長・コンポーネント開発センター所長を経て関連会社社長を歴任、退職後の2003年に中小企業診断士登録されています。最も近い隣国でありながら、近隣アジア諸国に対するほどの知識を持ち合わせていないロシアについて、様々な観点から詳細なデータを報告いただきました。クリミア併合、対IS、対北朝鮮、チェチェン紛争など難しい問題を抱えつつも、極東地区への日本企業の進出、北方4島の共同開発、ロシア人のインバウンドなど我が国との交流の一層の増加を予想されていました。

第2部では、石川会員から「利益を生み出す仕掛けと人づくり」について講義いただきました。石川会員は、大手自動車メーカーおよび上場ベンチャー企業の創業社長の秘書を経験した後、多くの転職をするなかで「経営者と社員の想いが相互に機能する組織を作りたい」と診断士資格を取得し独立創業されました。前半は中小企業の雇用およびメンタルヘルスの現状、活力・.熱意・没頭をベースとしたワークエンゲージメントの概要をお話しいただき、後半は業績を上げる組織とその運用管理の手法を分かりやすく解説いただきました。

第3部では、地方銀行での13年間の勤務を経て、現在はコンサルティング会社にて、中小企業向けに金融機関との取引支援・事業計画策定支援・資金調達サポートなどを行っている吉田会員から「事業性評価について」お話しいただきました。金融機関を取り巻く環境が大きく変化するなか、金融行政において、金融機関に「事業性評価」に基づく融資が求められています。その背景、および概要を説明いただくとともに、中小企業診断士の顧客支援として金融機関にどのような内容を示すことが有効かという点について、ご自身の体験も交えて具体的に講義いただきました。

それぞれタイムリーかつ興味深い内容であり、講師の方と参加者の間で時間が足りないほど活発な質疑が行われました。その後、17時30分から開催された懇親会も、講師の方を囲んでの有意義な情報交流の場となりました。
中野いきいきセミナーは、毎年3月と9月に実施していますので、会員の方には積極的に参加いただくとともに、お知り合いの方に声をかけていただきたいと思います。

研修部 小林久人

第45回(平成28年度第2回)「中野いきいきセミナー」 

2017-05-04

第45回(平成28年度第2回)「中野いきいきセミナー」が、4月8日(土)13時から17時まで、中野区産業振興センターにおいて、27名の参加で開催されました。本セミナーは、診断士として今後の実務に役立つスキルをより向上させることを目指しています。会員が増加してきているため、前回セミナーより会員の発表者を2名から3名に増やして講演いただいています。
 
第1部は、津山会員から「山形県の小規模事業者向け販路開拓支援について」をテーマに講義いただきました。津山会員は、大手アパレル等で10年以上法人向け営業責任者を歴任しており、独立後は中小企業の最も重要な課題である営業強化、販路開拓における具体的な実行支援を得意としております。今回の講義では、山形県信用保証協会の依頼で実施した山形県にある小規模事業者7社の販路開拓支援の取り組みを紹介いただきました。支援内容は、販路開拓にとどまらず、資金繰り、事業承継、事業再生など幅広いものでした。診断士としての支援において、「PLに直結した改善指導の確立」が必要だと話されていました。 
津山会員 

第2部では、谷会員から「企業の抱える人材の確保・定着・育成課題」について講演をいただきました。谷会員は、2014年の独立以降、人材活性化に基づく経営支援を中心に活動されています。雇用確保が難しく定着率も下がっている企業が多く、人材の育成・活性化が喫緊の課題となっており、時宜に沿ったテーマでした。前半は現在の社会情勢や働き方改革に向けた行政の動きを豊富な資料に基づき解説いただき、後半は人材活性化を中心とした支援プロセスをお話しいただきました。人材活性化のベースは人材育成における人間基礎力、社会人基礎力の基礎工事であり、「自ら考える人材」の重要性を感じました。 
谷会員 

第3部では、岡見会員から自らが38年勤務してきた建設荷役機械メーカーを題材に「事例研究:経営理念を礎に築くグローバルニッチ経営」についてお話しいただきました。たった一人の創業からファミリービジネスへ、そして「LE世界№1」という目標を掲げるグローバルニッチ企業となる歩みを、企業業績と理念経営への取り組みという視点から説明いただきました。ローカル企業からグローバルニッチ企業へのKFSとして、①強固なアイデンティー、②理念経営を継続推進、③明確な事業領域の設定の3点を挙げていました。ご自身の体験も交えた具体的な内容であり、大変分かりやすく講義いただきました。 
岡見会員 

講演はバラエティに富んだテーマで、いずれも診断士として貴重な情報を収集する良い機会となりました。セミナー終了後には、恒例の懇親会を開催し、講師の方を囲んで情報交換を行いました。 
中野いきいきセミナーは、今後も3月と9月の年2回開催していきますので、会員の方には積極的に参加いただくとともに、お知り合いの方にお声掛けください。 

研修部 小林久人 

「中野いきいきセミナー」開催報告

2016-04-17

第43回(平成27年度第2回)「中野いきいきセミナー」が3月19日(土)13時から17時まで、中野区産業振興センターにおいて、28名の参加で開催されました。今回は中野中小企業診断士会メンバーだけでなく、新宿区中小企業診断士会からも参加いただきました。本セミナーは、診断士として実務に役立つスキルをより向上させることを目指しています。今回も外部講師1名含めて3名の方に講演いただきました。

第1部は、矢野会員から「診断士は見た!ものづくり補助金の現場」をテーマに診断士としての申請事業者との理想的な関わり方を中心に講義いただきました。矢野会員は、大学卒業後ゼネコン・金融サービス業・米系金融業でのキャリアを積み、2013年に独立し、ものづくり補助金の東京地域事務局の業務等を行っています。事務局での業務経験を踏まえての申請書作成のポイントは非常に実践的な内容でした。診断士の心構えとして、交付決定後も事業完了まで事業者に寄り添うつもりで支援を行う姿勢が重要であると話されていました。

矢野会員

第2部では、外部講師として株式会社OCL代表取締役である四ツ柳茂樹氏から「創業者の抱える課題及び支援ニーズ等について」というテーマで講演をいただきました。四ツ柳社長は、大学卒業後、NTTを経て2002年に会社設立し、起業者・中小企業に対して経営戦略、新事業支援を行っています。これまで4,000件以上の起業相談を受けてきた中で感じた、創業者が抱える悩みや課題はどのようなことか、専門家のどのような支援を必要としているのか等をお話しいただきました。企業支援で大事なこととして①プラス思考、②相談者のレベルに合わせる、③「起業が絶対」ではない、④ やりなおせる失敗を、の4点を挙げていました。

四ツ柳社長

第3部では、若林会員から「地元密着型食品スーパーマーケットの新規出店事例」~総資産を超える設備投資案件にコンサルタントとしてどう対応したか~」についてお話しいただきました。赤字決算の地元密着型食品スーパーで総資産とほぼ同額の設備投資案件の可否についてクライアントの社長から相談を受けた実際の事例に基づいた具体的な分析事例であり、小売業に対する診断業務に活用できる内容で参考になりました。東京都振興公社の商人大学でVMDの講師の経験も有している若林会員だけあって、経験談を交えた興味を引く講演となりました。

若林会員

外部講師1名、会員2名の講演は、バラエティに富んだテーマで、いずれも診断士としての業務に役立つ内容でした。セミナー終了後には、恒例の懇親会を開催し、講師の方を囲んで情報交換を行いました。
中野いきいきセミナーは、毎年3月と9月に実施していますので、会員の方には積極的に参加いただくとともに、お知り合いの方に声をかけていただきたいと思います。

研修部 小林久人

株式会社 井口一世 見学会報告

2016-02-01

NPO法人中野中小企業診断士会主催「株式会社 井口一世 見学会」が、平成27年12月10日(木)に実施されました。

1.見学会の概要
今回見学に行きました、株式会社 井口一世社は、金属加工会社で、金型を使わず、切削もしないで金属加工する新しい生産方式を開発し、品質や精度を極端に向上させるとともに、コストの大幅な削減を達成しました先進企業です。

2.株式会社 井口一世の特徴
顧客の大半は上場企業で、事務用機器、家電、自動車などあらゆる業種の製品に使う部品を新方式で製造し急成長している企業です。
井口一世社長は大学卒業後、企業勤務を経て独立しました。PC言語レベルからITを勉強、現在の仕組みを構築されました。信条は「何とかなる」(前提は①知識、②知恵、③人的交流ネットワーク)、座右の銘は「成功の秘訣は成功するまであきらめない。」です。

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株式会社井口一世 は金属加工製造業で金属塑性加工を実施しています。
金属加工に関しては世界一精度が高いことを自負しており、累計誤差が1ミクロン以内に収まる、バリが発生しない、ニゲが全くなく曲げができることを追求しております。     
これにより製品価値で勝負でき、価格競争に巻き込まれることなく優位な経営が出来ています。
設備は振動が製造に影響しない構造で、隣の機械とも干渉しないよう分離しています。

3.井口一世社の3つの強み
(1)金型を使わない製造 
金型を使わないので、新製品の初期の製造の受注を多く受けています。これにより発売初期の設計変更による金型製作費用の低減が実現されています。
また、小ロットでも製造可能なため、生産終了後の保守製品、交換部品の製造にも活用されています。
(2)切削を行わない
金型での切削を行わないため、歩留率97%を達成しています。とはいえ、湿度・温度等によるバラツキは当然発生しますので、その部分はヒトが対応したほうが優れた製品がつくれます。このため、勘やセンスを大事にしています。
(3)適正価格
純粋に必要なコストをベースに見積りを行っているため、井口一世社の見積りを標準価格として参考にされる企業様も多くなっています。 

4.従業員
27名の社員で運営されています。社員平均年齢は29歳と若く、70%は女性で、理系の社員は少なく、応募者は700名程の中から毎年数名採用しています。
従業員には、自分で考え、自分で設計して、知恵とセンスを掌握することを基本に教育しています。

5.主な受賞
平成18年2月8日 「第1回渋沢栄一ベンチャードリーム賞」奨励賞受賞。    
平成18年11月7日 「第6回ビジネスプランコンテスト」関東経済産業局長賞受賞。
平成21年12月28日 単行本「創々たる!!小さな世界企業」に掲載。
平成24年10月24日 平成24年度「東京都経営革新優秀賞」最優秀賞受賞。
平成25年2月1日 関東経済産業局施策功労者感謝状を交付。

6.最後に
今回の見学で印象的だった点は、製造品が極めて高品質であることは当然として、①本社と工場が住宅地の中に建設されていること(当然、音や臭気はありません)、②7割が若い女性で非常に清潔な職場で製造されていること、③社名に社長の姓名を使用していること等です。
井口一世社は、創業後の年月がまだ短いにも関わらず、ここまで成長されたのは、高精度の高品質経営基盤と合わせて、認知度アップのための戦略が徹底されていることも大きな要因と思われます。創業以来マーケティングの考え方をしっかり意識して実践されていること、広報やPR活動を積極的にされてことが今日の繁栄を手にされている原動力と確信しました。今後の成長企業の模範になる見学企業でした。
終了後は忘年会兼懇親会を行いました。盛り沢山の内容が詰まった見学会で充実した1日を過ごすことができました。

文責 研修部 谷 進二

平成28年新春講演会報告

2016-02-01

NPO法人中野中小企業診断士会が主催する恒例の新春講演会(第1部)が1月29日(金)15時から中野区産業振興センターで開催されました。当日は診断士会のメンバーと中野区内諸団体の方など約40名が出席されました。

1.講演会の概要
1.1 「少子高齢化・お産・育児に関する知見と中野医師会活動」
中野区 山田医院院長  山田 正興先生

山田先生は、中野区産業振興センターそばに開業する山田医院院長兼中野区医師会会長です。山田医院は2代目の山田正興先生が小児科、内科医院として承継され、地域のお産・育児の専門家として中野区の医療に貢献されています。
また、2013年より中野区医師会会長として、中野区の開業医師の支援や病院の代表としてご活躍されており、中野区全体の医療の発展に尽力されています。

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講演内容は少子化社会の課題として、人類の進化の歴史から大脳皮質の進化、未熟児主産、女性のライフスタイルの変化と健康問題などについて医者としての視点から講演いただき、普段聞くことのできない貴重な知識を得ることができました。特に女性の健康問題では昔の月経回数は50回程度であったが、現在は450回に増加していること、女性が生れた時の卵胞数は200万個から20歳頃には12万個、40歳では1万個に減少すること、そのため40歳以降の出産は流産率が飛躍的に高まること。また、子どもの貧困や若年妊娠と虐待について等の貴重な医学的な知見を得ることができました。

1.2 「医療コンサルタントから見た医業の話題と雑感」
オフィス眞鍋代表  眞鍋 一先生

眞鍋先生は、日本医科大学の事務長を経験され、現在は厚生労働省の事業である「勤務環境改善マネジメントシステム」の委託機関である公益社団法人医業経営コンサルタント協会の全国委員長をされています。

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講演内容は、自らの経験から得られた知見や医療に関する雑感を含めてお話をいただきました。特に病院や医院などの医療機関は、ドクターが権限を持っていることもあり、経営や顧客満足の視点乏しいことが課題であること。今後医療機関が成長していくためには経営やマネジメント能力を高めることが重要であるため、経営が分かる中小企業診断士等との協業を積極的に進めていきたいこと等、今後の我々のビジネス展開の上でも参考になるお話が聞けました。

2.賀詞交歓会
第2部の賀詞交歓会は17時30分から近くのナカノバ食堂において、中野区長や中小企業支援機関の皆様をお迎えして47名の出席のもと盛大に行われました。

中野中小企業診断士会 研修部 月原弘

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