喫茶・コーヒー専門店成功の秘訣
※2010年8月4日に中野区HPに掲載された記事です。
創業相談を受けていると、ここ数年の定年退職者の増加もあってかコーヒー専門店で開業するケースに遭遇します。喫茶、特にコーヒー専門店は、立地にあまりとらわれず、少ない投資で開業できるため、有望な創業対象にされているようです。
まずは、喫茶店を大きく三つに分けてみましょう。
1 開放型
デパート、ホテル、リゾート地などに見られる明るい雰囲気、サービス、味覚を重視し、単価は高めで多くは女性客を主な対象にしています。
2 画一効率優先型
繁華街、地下街などに立地し、単価は開放型に比べると安く、セルフサービスで広い客層を対象にしています。
3 クラシック型
商店街の外れや住宅地に立地し、単価は開放型と効率型の中間程度。マスター本人、夫婦や親子でオーナーの個性を強く打ち出したお店や商品。強いこだわりの感じられるお店が多いのが特徴です。
それでは、クラシック型コーヒー専門店が成功する秘訣は何でしょう。
1 マスターの資質と人間性
コーヒーショップに従事したか、専門知識が充分にあり、コーヒー、紅茶以外に製菓、軽食等の特技を有すること、足腰は壮健で性格は開放的で、あまりマニアックな個性を出さないこと、お客の話相手になれる常識の豊富なこと。
2 取扱い品目
他店と差別化ができるコーヒー、紅茶の味を自信を持って提供でき、特技を発揮できる販売品目を持つこと。
3 開業、運転資金
一客席あたり月商10万円(一日4千円)を基準にして、3か月分の自己資金を有すること。運転資金の確保のために粗利益率は70パーセントを目標に、仕入先、仕入れ単価、販売品目を選別すること。
4 店の雰囲気と客層
コーヒー専門店らしい落ち着いた雰囲気を保つための造作、色調、調度品食器等を選択し、客層は店に相応しい固定客を作ること。特に注意すべきことは他人を排他するような特定の客のたまり場にならないように、客の入りやすい店にすること。
これから開業しようとしている方、既に開業されている方々は是非参考にして下さい。
(中野区中小企業診断士会 手塚 典雄)