サービス業の起業成功の秘訣

2012-09-22

※2010年8月4日に中野区HPに掲載された記事です。

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 経済のサービス化といわれるように、有形のモノを扱う物販の業界や飲食店においてもサービスによる付加価値で差別化をはかる時代になりました。まして、目に見えない無形の商品であるサービスを販売するサービス業では、オンリーワンの商品を開発してその商品の品質を高め大きな市場を獲得していくことが、勝ち残りの絶対条件です。

 
 中野区で起業したA社は、海外旅行を取り扱う旅行業者です。現在、A社の業績は、売上利益とも当初の計画を大きく上回りたいへん順調に推移しています。そこで、A社の事例をもとにして、サービス業の起業を成功に導く秘訣を考えてみましょう。
 

1 経験・資産の活用

 社長のYさんは起業前から海外勤務や旅行業界勤務などの経験を積んでいた
 
 起業には、ある程度のリスクが伴います。まずはこれまでの経験を活かして同一業界や類似の業種で起業することが、より安全で確実な方法です。もちろん未経験の新しい分野へ挑戦する起業もありますが、やはり現在持っている経験や資産は最大限に活かすべきです。Yさんの場合は、豊富な業界経験に加えて業界勤務のころに得た貴重な人脈がたいへん大きな資産になっています。
 

2 ターゲットの絞り込み

 マーケティングはターゲットを明確に絞り込んで行なっている
 
 海外旅行には、地域、目的、期間などにより、さまざまな種類があります。そんななかで、A社の商品は、地域は限定、目的もほとんど単一目的に絞り込んでいます。目的をもった見込み客にとっては、わかりやすく選択しやすい商品であり、魅力的な商品になっています。その結果、個人顧客と企業団体顧客の双方から支持を受け、マーケットが広がっています。
 

3 インターネットの活用

 
 広告宣伝方法としてインターネットを活用している
 
 インターネットは、サービス業ではぜひ活用したい広告宣伝方法です。Y社長は、起業後間もなくインターネットを使ってホームページによる情報提供や旅行商品の紹介を始めました。最近では、ホームページからの問い合わせや資料請求が増加し、マーケットが全国規模にふくらんでいます。サービス業の特質を考えると、インターネットは費用対効果の高い効率的な広告宣伝手段ということができます。

 さて、A社は、もうすぐ設立2周年を迎えます。これからも、上の三つの成功要因を守りながら、これに新しい成長の源泉を工夫して付け加えていくことで、さらに大きな飛躍が期待できるでしょう。

(中野区中小企業診断士会 飯田廣己)
 

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