お客さまを快くお迎えし、満足していただく接客を

2012-11-23

※2010年8月4日に中野区HPに掲載された記事です。

K洋菓子店が実行した販売員への接客心得教育から

 

 お客様がお店を気に入って、何回も来店してくれるようになるには、従業員の接客が鍵になります。そのために、お客様の買い物に対する気持ちの移り変わりの流れを示した『顧客心理過程の8段階』を十分に理解し、接客することが大切なポイントになります。
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 この顧客心理過程に着目して販売員の教育をしたK洋菓子店の例を見てみましょう。

 K洋菓子店では、次の5点を中心に訓練を行ないました。

 

1 接客に大切なアプローチのタイミング

 アプローチ(お客様に近づいて声をかける)は、お客様が店頭の商品をちらっと見る「注目」段階を経て、その商品(例えばケーキ)に惹かれて、もっとよく見たいと足を止め、店内に入ってみようとされる「興味」段階から、自分がその商品を使っている(例えばケーキを味わっている)場を「連想」し始める段階に移る時が最適とされています。
 

2 アプローチに際しての接客マナー

 アプローチのタイミングは、より高額な商品(例えば洋装品)ではタイミングを遅らせ、低額商品(例えばケーキ)では、早めに対応することも心がけるべきでしょう。
 この際「いらっしゃいませ」のご挨拶とともに、お出迎えのお辞儀を添えることが大切になります(お辞儀の角度は30度)。この角度は、お客様のお買い物への関心度(表情や視線)を読み取る上でも重要なポイントになります。
 

3 お買い物されるお客様へのフォロー

 お客様の商品に関する関心度を高め、「買っちゃおうかな・・・」の気持ちが動き始める「欲望」段階から、「まてよ、もっといい商品(例えばデコレーション・ケーキ)があるかも・・・」の「比較検討」段階までに、商品提示と商品知識を披露し、お客様の「よし、これに決めた」という「信頼」段階に導くように接客対応に努めることが求められます。
 

4 お買い上げ時の留意点

 
 お客様が「これをください」と購買決定に踏み切られる時点の「行動」段階では、お客様に対して、「はい、かしこまりました」「商品(例えばケーキ)をお包みいたしますので、少々お待ちくださいませ」との確認とともに、感謝を込めて頭を下げてください(お辞儀の角度は15度)。
 その後は、商品の包装を手際よく行い、代金の授受に移ることになります。この際には、金銭授受の留意点(商品代金の確認、お釣り銭の確認)を確実に実行することが大切な要件になります。

5 お買い物を終えたお客様の心を込めたお見送り

 『お見送り3メートル』という言葉があります。数字にはそれほどの根拠はありませんが、お客様がお帰りになるとき、感謝の気持ちで後ろ姿をお見送りするとの意味が込められています。お客様に「ありがとうございました」「また、どうぞお越しくださいませ」の言葉とともに、お客様の後ろ姿に、頭を下げてお見送りをいたしましょう(お辞儀の角度は45度)。
 「いいものを買ってよかった」「お店は私に対して気持ちのいい応対をしてくれた」という買い物商品やお店に対する「満足」の気持ちを持ってお客様が店を離れられる時こそ、商売人にとって至福の時ではないでしょうか。

 K洋菓子店では、気持ちのよい接客でリピート客が増えているようです。

 
 (中野区中小企業診断士会 宇佐美 昭司)

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