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平成26年度第2回「中野いきいきセミナー」
第41回(平成26年度第2回)「中野いきいきセミナー」が3月14日(土)13時から17時まで、中野区産業振興センターで開催されました。NPO法人中野中小企業診断士会メンバーを中心に24名が参加しました。
昨年度からNPO法人中野中小企業診断士会メンバーだけでなく、中野区で創業された経営者の方など外部講師の講演を加え、より実務に役立つスキルの向上を目指しています。今回も外部講師1名含めて3名の方に講演いただきました。
第1部は、外部講師として株式会社タスキブ代表取締役である岡田真氏から「チャレンジする面白さ~社長クエスト~」というテーマで講演をいただきました。普通の会社員が所属会社社長の急死をきっかけに、その1ヶ月後に起業した経緯に驚かされました。起業後に待ち受けていた社員の不満といったクエスト(課題)を、一人ひとりと面談し、正社員化による待遇改善、就業規則などのルール化に真摯に取り組むことで乗り越えてこられました。これから起業する人へのアドバイスとして、①事業にお手本はない、②会社の利益が自分の利益と考える、③支援者からの資金支援は極力受けず、資金以外の支援には恩返し、の3点を挙げています。岡田社長は、診断士に対し、異業種経営者との交流の機会の提供を要望されていました。
第2部では、大手製薬会社に勤務されている企業内診断士の林会員から「企業が直面している環境と経営についてのジレンマ」をテーマに永遠のトレードオフ関係にある企業経営と環境問題について、お話しいただきました。地球規模での人口の爆発的な増大、エネルギー使用量の増加、CO2濃度の上昇といった事実を詳細なデータに基づき解説されました。環境問題への対応をコストアップ要因と考えるのではなく、ビジネスチャンスと捉えられないかぎり、ジレンマを解消することはできない。近江商人の三方よし「売り手よし、買い手よし、世間よし」の考えに「未来よし」を加えた「四方よし」を理念として企業の根底に持つ必要性を語っています。年間60回以上のセミナー講師を務めている林会員だけあって、難しいテーマを分かりやすく講義いただきました。
第3部では、畑中会員から「激動の時代に入った美容室経営について」講演いただきました。美容業界は、店舗数がついに23万店舗を超え、これまで優良店舗と言われていたサロンまでが売上高前年対比割れを起こしています。そういった厳しい美容室業界にて、長期事業計画、マーケティング、人事戦略、財務戦略などの支援を行っている畑中会員だけあって、講義内容は美容室に対するコンサルティングマニュアルそのものでした。成功店舗におけるストーリーのあるコンセプト作り、新たな取組み、接客状況など具体的な事例を数多く紹介いただきました。美容室業界に限らず、接客を伴う流通業・サービス業に共通するものであり、今後の診断業務に幅広く活用できる内容で、大変参考になりました。
外部講師1名、会員2名の講演は、バラエティに富んだテーマで、いずれの内容も興味深いものでした。セミナー終了後に開催された懇親会は、講師の方を囲んでの有意義な情報交流の場となりました。
中野いきいきセミナーは、毎年3月と9月に実施していますので、会員の方には積極的に参加いただくとともに、お知り合いの方へのお声掛けをお願いします。
研修部 小林久人
平成27年新春講演会『蔦屋重三郎(蔦重)に学ぶ、リーダーの条件』
NPO法人中野中小企業診断士会が主催する恒例の新春講演会が1月23日(金)に西武信用金庫本部で開催されました。当日は診断士会のメンバーだけでなく、中野区内諸団体のご来賓や一般企業の方など46名が出席されました。
1.講演会の概要
『蔦重の教え』の著者である時代小説家の車浮代(くるまうきよ)氏を講師にお迎えして2時間の講演をいただきました。車講師は、江戸文化、特に浮世絵と江戸料理に造詣が深く、多くの出版やテレビ出演、企業・団体での講演を実施されています。実用エンターテイメント時代小説『蔦重の教え』は3万部を突破し、尚増刷を重ねています。
講演の前半では、浮世絵の発祥や技法を写真や動画を通して紹介いただきました。髪の毛の1本1本まで繊細に彫る技術、幾重にも丁寧に重ねる擦りの技術には驚かされました。浮世絵とは、後世に名を残す歌麿や北斎といった絵師だけでなく、彫師、摺師よる協同作品でした。そして、その三者を統括するプロデューサー的な役割を果たす版元の存在が不可欠となります。
後半は、その版元の代表ともいえる蔦重(蔦屋重三郎)についてお話しいただきました。江戸時代の名プロデューサー蔦重が仕掛けた数々の画期的な商売方法には、現代のビジネスでも十分に通用するアイデアがあり、診断士としても役立つ内容でした。
2.『蔦重の教え』について
出版パーティでの編集者との偶然の出会いが、小説でありながら、ビジネス書でもある『蔦重の教え』出版の経緯だそうです。出版社ではなく、担当編集者が重要だと話されていました。巻末には、小説の中に出てきた「教え」がまとめてあり、いくつか引用いたします。
情報収集を怠らない
「商売柄、世間の評判は常に耳に入れておきたいんでな。俺は出かける先々で、できるだけいろんな町の湯屋に行くようにしている」
相手に期待をかけて頑張らせる
「つまり蔦重はあなたに、『できる』という期待をかけて問いかけたわけですから、あなたは期待に応えるべく、なんとかしなければと思わされてしまったのです」
三方向から見る目を持つ
「実際にてめえが見ている目と、相手からてめえがどう映っているかってえ目、最後に、天から全部を見通す鳥の目だ。この三方から物事を見りゃあ、失敗しないし、騙されねえし、新しい考えも湧くってもんだ」
講演会終了後は、車講師にも参加いただき、盛大な賀詞交歓会も開催されました。
研修部 小林久人
トヨタL&F物流改善コース見学会
NPO法人中野中小企業診断士会主催「トヨタL&F物流改善コース見学会」が、11月21日(金)に実施されました。
見学会の概要
今回見学に行きました、「トヨタL&Fインフォメーションセンター」は、すでに30万人の来場者がある人気施設です。
今回実施の見学会のみではなく、トヨタ式4Sセミナーの実施や、貸し切セミナーも可能な大規模なトヨタ物流の広報拠点と言えます。施設も立派で入るなり、女性の物流コンパニオンさんがてきぱきとした応対をしてくださいました。また、上席の男性社員にも同行いただき、診断士に対するトヨタ側の丁寧な対応がかいまみられました。
今回の見学では、 「小物品物流システム展示ゾーン」を見学し、ケース単位で入庫し、ピース単位で出荷する物流の様々な課題に対する解決策を、実際に機器を操作しながら見学しました。特にトヨタ独自のバケット自動倉庫、デジタルピッキングシステム、4S改善ステップ(ステージ0~3)、訓練道場等、興味ある物流システムを見学しました。
具体的内容
初めに「ロケナビ」にて物流管理システムについて解説。
次に2階に上がり、「オーダーピッキング」在庫設備の管理方法について見学。出荷頻度の高い順にA管理品、B管理品、C管理品と区分し、Aは最も出しやすい場所でも管理を実施、Cは自動収納システムを使い天井まで効率的に使ったスペースにて管理と効率的・合理的管理が実施されていました。次に「トータルピッキング」を見学。こちらは全品単品管理で実施。思想の違いを確認できました。
続いて、4S改善ステップ(ステージ0~3)を見学、トヨタ式物流管理システムの神髄を学びました。5つの原則、①管理対象の決定、②ピッキング時間の短縮、③荷振り作業対策、④安全対策、⑤先入れ先出し にて運営されていることを確認いたしました。最後に訓練道場等を見学し、予定を大幅にオーバーしましたが、16:40に散会いたしました。
終了後は懇親会を行い、盛り沢山の内容が詰まった見学会で、充実した1日を過ごすことができました。
研修部 谷 進二
平成26年度第1回「中野いきいきセミナー」
第40回(平成26年度第1回)「中野いきいきセミナー」が9月20日(土)13時から17時まで、中野区産業振興センターで開催されました。平成11年にスタートした本セミナーは、40回を迎えることができました。今回は、NPO法人中野中小企業診断士会メンバーを中心に21名が参加しました。
昨年度からNPO法人中野中小企業診断士会メンバーだけでなく、中野区創業相談を経て独立された方など外部講師の講演を加え、実務的なスキル向上を目指しています。今回も外部講師1名含めて3名の方に講演いただきました。
第1部は、中野区創業相談を経て平成19年にVIVO PRODUCTION TOKYO株式会社を設立された鈴木社長から「バール(BAR)という飲食業態の新たなステージと戦略について」というテーマで講演をいただきました。創業から7年経った現在は、バール業態の飲食店『vivo daily stand』を都内で9店舗運営しており、「コミュ二ティ機能を備えたバールにより地域の人の日常生活を豊かにしたい」という熱い思いを語られました。その思いを実現するために作られた創業時の事業計画書が、マーケティング、店舗コンセプト、ビジネスモデル、そして資金計画まで大変緻密なものであり、驚かされました。一方、更なる発展をしていくためには、課題もあるようです。中小企業診断士が協力することで、一緒に課題をクリアしていけるのでは、と感じました。
第2部では、工業用計測制御機器メーカで調節計ビジネス推進マネージャーを務める企業内診断士の安田会員から「VE(価値向上技術)を経営改善に生かす」 をテーマに、VE(バリューエンジニアリング)の意義や具体的手法など、どの様に経営改善に役立てられるのかをご紹介いただきました。VE(バリューエンジニアリング)とは、最低のコストで必要な機能を確実に達成するための手法ですが、単なるコストダウン技術ではなく、「機能を思考の原点にして問題を解決する」ものである点が印象的でした。ただ、機能をどう評価するかが、難しいと感じました。専門的な内容でしたが、安田会員は、日本バリューエンジニアリング協会認定VEスペシャリストでもあり、分かりやすい講演いただきました。
第3部では、永吉会員から「日本企業を取り巻く環境の変化と中小企業の対応について」講演いただきました。永吉会員は、平成25年6月末まで大手証券グループに勤務し、香港とオランダに駐在の経験があります。独立後の現在は、三多摩支部に所属し、三多摩支部国際部長を務め、中小企業の海外展開支援を目指しています。アジア新興国は目覚ましい発展を遂げており、日本の市場が相対的に縮小している環境下の中小企業ビジネスの国際化の現状を、豊富な資料、データに基づき、説明いただきました。中小企業診断士として国際化支援にあたっては、コストを下げるための海外進出ではなく、自社の強みを確認し、自立化を目指していくことが重要だと感じました。
いずれの講演も興味深い内容であり、時間が足りなく感じられました。その後、17時30分から開催された懇親会も、講師の方を囲んでの有意義な情報交流の場となりました。
中野いきいきセミナーは、毎年3月と9月に実施していますので、会員の方には積極的に参加いただくとともに、お知り合いの方に声をかけていただきたいと思います。
研修部 小林久人
平成26年度「中野区経営コンサルタント研修会」の報告
平成26年度「NPO法人中野区経営コンサルタント研修会」が7月12日(土)13時から17時30分まで、中野区7階会議室で開催されました。NPO法人中野中小企業診断士会メンバーを中心に37名が参加しました。
今年度から中野区産業振興業務が中野区から指定管理者(NTTグループテルウェル東日本様)に移管されましたので、それに伴い昨年まで中野区主催で行われておりましたが、今年からNPO法人中野中小企業診断士会が主催して行うことになりました。
第1部では中野区都市政策推進室の大石係長から、中野区経済融資及び創業融資などについての説明がありました。26年度中野区産業経済融資の概要と手続き、25年度商工相談利用状況、25年度創業支援診断実施状況、創業支援資金の概要などについての説明と融資相談、創業相談および創業診断の流れ等について説明がありました。その後、今年度から指定管理者になられたテルウェル東日本パブリックビジネス推進室の宮本様と中野産業振興センター副所長の佐藤様から挨拶がありました。
第2部ではNPO法人中野中小企業診断士会の柴原理事長から、26年度指定業者への事業委託について、中野区の指定業者としてハートフルサポート共同事業体(①NTTテルウェル東日本株式会社、②株式会社パソナ、③東京アスレチックの3社)が「中野区産業振興センター」を運営することになったこと、受託事業として中野区産業振興センターの運営一切を行うことになり、また、2階相談窓口において制度融資あっせん、セイフティネット認定、創業相談、創業診断などの受付を行うことになったとの説明がありました。NPO法人中野中小企業診断士会は、セイフティネット認定、創業相談、創業診断などの実務を再受託します。その後、創業診断の進め方のポイントについて、創業業態の特徴や損益・収支計画、中野ライフサポートビジネス創業塾(パソナ様受託事業)など、詳細な説明がありました。
第3部では東京都中小企業診断士協会相談役及び品川区中小企業診断士会会長をされている城南支部の八嶋講師から、創業計画策定におけるシミュレーション・ツールの活用について約3時間余りの講義をいただきました。矢嶋講師は創業支援を専門分野とされ、東京協会の各支部や診断士会でも多くのセミナーを実施されています。今回は創業支援スキルアップセミナーとして、フラワーアレンジメント事業の事例をもとに「新事業計画書」作成の進め方について、17項目の計画シートの作成要領やシミュレーション・ソフトの活用方法について具体的な説明をいただきました。また、矢嶋講師が作成したシミュレーション・ソフト(エクセルシート)の活用を希望する方は、柴原理事長あてに申し込めば、無償で提供してくれるとのことです。今後、中野区ホームページなどへのアップも検討されていますが、ご希望の方は柴原理事長までお問い合わせください。
その後、恒例の懇親会が和民中野北口店で18人の参加のもとに盛大に開催されました。
研修部長 月原 弘
平成25年度第2回「中野いきいきセミナー」
平成25年度第2回「中野いきいきセミナー」が3月22日(土)13時から17時まで、アーバンネット中野ビル東京リーガルマインド様第1研修室で開催されました。NPO法人中野中小企業診断士会メンバーを中心に22名が参加しました。
今年度からNPO法人中野中小企業診断士会メンバーだけでなく、中野区創業相談を経て独立された方など外部講師の講演を加え、実務的なスキル向上を目指しています。
第1部は、中野区創業相談を経て創業された税理士法人アシストの池田健一代表から「決算書は誰のためにある?」というテーマで講演をいただきました。開業支援や融資の相談等を実施されている池田代表は、税理士の仕事は税務申告だけではなく、会社の数字を通して会社の課題を見抜き、経営者と一緒に解決策を考えることだと言います。「税理士の仕事は、ナビゲーターだ!」というフレーズがそれを象徴していました。増収増益、減収減益、あるいは債務超過など財務諸表の各種パターンに応じた対応策も教えていただき、診断士としての実務に活用できそうです。税理士と中小企業診断士が協力することで、より多面的に中小企業のバックアップが実現できると感じました。
第2部では、大手百貨店に38年間勤務された大場会員から「小売業のこれから」をテーマに、戦後流通業の変遷、業態ごとの現状、そして少子高齢化社会、ネット社会の時代を迎えての大手流通グループの戦略をお話いいただきました。単なる時系列データにとどまらず、「小売りの輪」といった理論的背景にまで解説が及びました。今後の小売業の目指すべき方向性として、MD政策、サービス政策、顧客管理政策、海外進出などを挙げられています。競争相手が同業企業だけではない厳しい環境下の現在においては、「欲しい時に欲しい場所で欲しいものを提供できる」顧客起点の発想が重要であるということが印象に残りました。販売士資格更新研修の講師等を務められている大場会員だけあって、大変分かりやすい講演でした。
第3部では、眞本会員から経営分析や新規事業設計に有効で、ビジネスモデルの理解・設計・実行に役立つ「ビジネスモデルキャンパス」を紹介いただきました。眞本会員は、IT企業に10年間勤務した後、2012年に退職し独立し、現在はIT関連の研修・セミナーや販売促進支援を中心に中小企業支援に従事されています。「ビジネスモデルキャンパス」は、従来の各種フレームワークと異なり、1つのシートで事業の全容を一望できるところに特徴があります。ビジネスモデルの共通言語とすることで、経営者とのディスカッションやグループワークに活用できる点が非常に魅力的です。事例を使ってフレームを埋めながら講義を進めていただいたので、理解を深めることができました。
外部講師1名、会員2名の講演は、それぞれタイムリーかつ興味深い内容であり、講師の方と参加者の間で活発な質疑が行われました。その後、17時30分から開催された懇親会も、講師の方を囲んでの有意義な情報交流の場となりました。
中野いきいきセミナーは、毎年3月と9月に実施していますので、会員の方には積極的に参加いただくとともに、お知り合いの方に声をかけていただきたいと思います。
研修部 小林久人
NPO法人中野中小企業診断士会理事長 平成26年新春賀詞交歓会スピーチ
NPO法人 中野中小企業診断士会 新春賀詞交歓会スピーチ
平成26年1月31日
理事長 柴原 廣次
新年明けましておめでとうございます。
皆さま、本日はお忙しいところ、NPO法人 中野中小企業診断士会の新春賀詞交歓会へご参加いただきまして、まことにありがとうございます。また講演会では西武信用金庫常勤理事、高橋様に貴重なお話をいただきありがとうございました。
NPO法人 中野中小企業診断士会は、昨年、5月に創立30年を迎え、記念の式典を執り行いました。創立から30年、会の維持発展に尽くされた先輩診断士の皆さまに、ここで改めて御礼申し上げます。
当会は、この1年で新入会員が10名増加し、会員数は、現在74名となっています。この1年を顧みますと、昨年11月にはセントラルパーク・イーストに設けられた中野区産業振興拠点(ICTCO)が活動を開始しました。産、学、公、金(金融機関)の連携によるICTコンテンツ産業の振興拠点として本格的に動き出しています。また、26年4月からは中野駅南口の勤労福祉会館が、産業振興センターとして生まれ変わります。本年が中野区にとって、大きな発展のチャンスとなる年であることは確かです。
国の政策も経営力強化法(2012年8月30日施行)、小規模企業活性化法(2013年9月20日施行)、産業競争力強化法(2014年1月20日施行)などが立て続けに打ち出され、それに引き続き細かい施策が目白押しです。
NPO法人 中野中小企業診断士会は、NPO法人としてのミッション・役割を自覚しつつ、これまで培った産・公連携事業に加えて大学・金融機関さまとの連携事業へと幅を広げて行きたいと思っています。
区内事業者様の応援団として、起業・創業支援から経営改善策定支援、経営革新計画策定支援、さらに商店街を元気にする活動を行います。具体的には、中小企業施策の有効利用を目指して、事業者様の課題解決のための施策マッチングのお手伝いを実践してまいります。
複雑化する事業経営の課題解決を図るためには、各分野の連携が必須であると考えます。本年は、NPO法人のメンバー個々の能力アップ、スキルアップの努力とともに、産、学、公、金、連携強化をキーワードとして、かつ目標にしたいと思います。
昨年と同様、中野区産業・都市振興分野の皆さま、東京商工会議所中野支部さま、中野区商店会連合会・区商連さま、中野工業産業協会さま、その他ご来場の皆さまのご支援とご協力を賜りたく、よろしくお願い申し上げます。
本年が皆さまにとって最良の年であることを、祈念いたしまして、新年のご挨拶とさせていただきます。
ソラマチとおしなり商店街見学会
NPO法人中野中小企業診断士会主催「ソラマチとおしなり商店街見学会」が、11月16日(土)に実施されました。
1.見学会の概要
~巨大施設開業の影響を俯瞰~
東京スカイツリーが平成24年5月に開業してから1年間で展望台入場者638万人、ソラマチ来街者が5,080万人と当初目標を大きく超えています。晴天に恵まれた当日も、展望台入口には当日券を求める列ができ、ソラマチは人で溢れかえるほどでした。
今回の見学会では、ソラマチ、近隣商店街の見学に加え、東武タウンソラマチ(株)(木村社長)、墨田区観光協会(古谷事務局長)、おしなり商店街(黒田副理事長)の3者から多角的にお話を伺いました。
2.東京ソラマチ
~観光から日常の駅ビル・商店街へ~
スカイツリーの足元に位置する大型商業施設「東京ソラマチ」のターゲットは、「観光」「沿線・地域」「アーバンツーリズム」を融合したもの。そのため、一見すると店舗構成が、雑然とした印象を受けます。
遠方からの観光客は減少してきているようなので、沿線利用者や地元客のリピーター化が今後の課題となります。そのために、テナントを入れ替える必要も出てくるかもしれません。
3.墨田区観光協会
~「モノづくり」と観光の融合へ~
「モノづくり」のイメージが強かった墨田区ですが、スカイツリーの建設が決まり、観光化を目指すため、平成21年に墨田区観光協会を設立しました。今年度より区からの助成がなくなったものの、ソラマチ内の「産業観光プラザすみだまち処」の運営などにより、自立の途に就いてきました。
今後は、スカイツリーを起点とした街歩きツアーの開発などに注力し、地域活性化を図っていくそうです。
4.おしなり商店街
~個店の魅力アップこそが重要~
スカイツリー建設中は見物客で賑わった地元商店街ですが、開業後は客足がダウンしています。おしなり商店街も、各種セールやマラソンやジャズフェスティバルと連携したイベントを開催してきたものの、スカイツリーへの来場者を取り込めていません。
引き続き、キャラクター「おしなりくん」を前面に出し、商店街全体のイメージアップを進めていく方針です。店舗毎のターゲットが、観光客であったり、地元客であったりと相違しているので、個店毎の魅力向上が鍵となりそうです。
終了後は懇親会を行い、盛り沢山の企画が詰まった見学会で、充実した1日を過ごすことができました。
平成25年度第1回「中野いきいきセミナー」
平成25年度第1回「中野いきいきセミナー」が9月14日(土)13時から17時まで、アーバンネット中野ビル東京リーガルマインド様第2研修室で開催されました。中野診断士会メンバーを中心に26名が参加しました。
24年度にNPO法人化したことを踏まえて、今回から中野区創業相談を経て独立された方々から創業の思いや苦労話、取り組み事例などを話していただくことにしました。
第1部は、中野区の創業相談を経て平成21年に創業された株式会社カラクリズム代表の丸山智寛社長から「町のアプリ屋さんへの道」というテーマで講演をいただきました。事業内容は家庭用ゲーム機向けゲームソフトの企画・開発を行っており、従業員はプグラマー4人、企画3人、デザイナー2人の9人で平均年齢は29歳です。売上は初年度600万円から4年後には5,800万円まで拡大したが、外注費用などがかさみ赤字になった。無理な受注を受けたことによる苦い経験を活かし、今後はあまり背伸びをせずできる範囲で品質の高い仕事を心がけるようになったとのことです。家庭用ゲームソフト分野では業界NO1の技術力を持っているという自信を従業員全員で共有していることが最大の強みだとのことです。この自信が仕事に対する余裕を生みだし、従業員のチームワークを良くしているようです。創業以来山あり谷ありの5年間でしたが、従業員の結束力が高まりチャレンジ意欲の高い集団になっている様子がホームページからも読み取れます。技術で業界NO1であるというプライドが従業員の挑戦意欲を高めているようです。創業される方には最も必要なことだといえますね。
第2部では、会社を55歳で早期退職してから1年半経過した加藤博昭会員から「診断士になって1年5か月の軌跡―顧問企業10社を目指して」というテーマで、独立後1年5か月間の様々な取り組みと、顧問先11社を開拓することができた秘訣について講演していただきました。企業内診断士や独立後日が浅い診断士にとってはとても参考になる講演だったと思います。加藤会員は中小企業支援の公共機関や民間研修会社など様々な分野に積極的に顔をだし仕事を受託してきました。「顧問先10社を早期に開拓する」という強い思いが、独立後1年半で11社の顧問先開拓が実現できた要因だといえます。このお話は、若手診断士の顧問先開拓手法や営業手法習得などにとても役立つ話なので、是非今後お話をいただく機会を設けたいと思いました。
第3部では、鴨志田栄子会員から「CS向上は、風土づくり、人づくり、仕組み作りから」というテーマで講演をいただきました。鴨志田会員はCS(顧客満足)の専門性を生かして、人材育成を中心にした仕事をされており、自治体の研修や途上国・新興国でのセミナー等をされています。CSというと接客・接遇のことだと勘違いされる人が多く見受けられるようです。しかし、接客・接遇はCSの入り口でしかなく、真のCSを高めるには、風土づくり、人づくり、仕組みづくりという観点から改善・改革運動につなげていくことが重要であるとのことです。CSという古くて新しい言葉をじっくりと考えさせられる講演でした。
その後、17時30分から恒例の懇親会が開催され、盛大で有意義な情報交流が行われました。
中野いきいきセミナーは、NPO法人中野中小企業診断士会メンバーを中心に区内中小企業者や関連支援機関の皆様を含めた勉強会として、毎年3月と9月に実施しています。今後は一般の方にも開放していこうと考えています。お知り合いの方へも声をかけていただきご自由に参加していただきたいと思います。
研修部 月原弘
NPO中野中小企業診断士会 30周年記念式典
平成25年5月31日に NPO中野中小企業診断士会の30周年記念式典が
取り行われました。
30周年記念式典式次第
1.開会の辞
2.理事長挨拶 NPO中野中小企業診断士会理事長 柴原廣次
3.ご祝辞
中野区副区長 金野晃様
中野区議会議長 伊東しんじ様
中野区商店街連合会会長 高橋宏治様
4.来賓ご紹介
5.感謝状贈呈
<贈呈先>
東京商工会議所中野支部殿 (会長 麻沼雅海様)
中野区商店街連合会殿 (会長 高橋宏治様)
中野工業産業協会殿 (会長 戸矢崎哲様)
<代表ご挨拶>
中野工業産業協会会長 戸矢崎哲様
6.式典閉会の辞
7.乾杯 東京商工会議所中野支部会長 麻沼雅海様
8.アトラクション(男性合唱) 東京南澪合唱団
9.記念誌紹介 NPO中野中小企業診断士会広報部長 若林敏郎
10.会員代表スピーチ 宇佐美昭司、岡田皓三、榊原貞夫、大原律子
11.中締め NPO中野中小企業診断士会 理事 大河内隆之
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